西軍クリスマス






 
 変なおっさんが現れた。
 西軍の拠点となっている大阪城は師走を半ばも過ぎ、年越しの準備でおおわらわだった。
 戦の最中とはいえ七夕もお盆も正月もその他もろもろ大事な行事はやってくるわけで、特に十五夜の月見は盛大に行われたのであった。
 単に団子をたらふく食いたいあの男やあの男の我儘で決まったようなものだったが、あれっ西軍ってなんのために集まったんだっけ、とだれもが首を傾げたくなるような光景であったことは間違いないだろう。
 それはともかく、ああ忙しい忙しい、そろそろ餅を大量に用意しなければ、などとバタバタやっているところに、変なおっさんが大阪城の門をくぐったのである。
 何がおかしいかと聞かれればもう全てにおいておかしい。
 上下に分かれた南蛮の服は真っ赤で、縁に白いもこもこがついている。
 頭に乗せているのはちょんまげでもシイタケでもタンポポでもなく、同じく縁にもこもこのついた赤い三角帽子。垂れた先端には白いぼんぼん。
 そんなけったいな格好のおっさんが、真っ白なずたずた袋を引きずりながら世にも悪そうな悪人面で現れたのだからびっくりだ。
「なっなにやつ!怪しい奴め!!」
 そら怪しかろう。
 門番が変なおっさんを通すまいと張り切るのは当然のことだろう。
 だが、その変なおっさんは堂々と懐から出した紙を広げて見せた。
「・・・・通行証?確かにこれは毛利元就殿の花押・・・貴殿はいったい」
 うさんくさげに顔をのぞきこむ門番に、おっさんはフッとニヒルに笑い、白いずだ袋を担ぎ直した。
「哀れな西軍の皆々に聖夜の贈り物を届けにきたのだよ」
「性夜?はぁ・・・」
 夜のおかずでも入っているのだろうか。
 しかし軍を統括する主や軍師たちは非常に多忙な毎日を送っている(主に正月の準備で)。
 きっと女を買う暇もないだろうから、そんな彼らのために安芸の守護者みずから手配したのかもしれない。
 さすがは稀代の智将、謀神とおそれられる男毛利元就。毛利元就に清き一票を投じたい。できれば自分にもそのおかずまわしてけろ。
「とりあえず毛利殿にうかがってきますのでしばしここで待たれよ」
「そんな気配りはいらないよ。さあそこをどきたまえ」
「あっ」
 気配りじゃねえ仕事だ、と反論しかけて、ふと門番は甘い香りにくんと鼻を鳴らし、次の瞬間には地面と熱烈な接吻をしていた。
 そのまま意識を失った門兵をずるずると引っ張って草むらに隠すと男はにやりと笑ってずた袋を抱え直す。
「さて・・・・・・お楽しみのれっつぱーちぃといこうか」
 ちょっと発音が違うようだ。




 一方その頃、大阪城内はてんやわんやの大騒ぎだった。
「良いか貴様ら!正月の準備は百万一心にて行うのだ!餅だ!もっと餅を用意しろ!」
 羽織にたすき掛け、袴に家紋入りの鉢巻きをひらひらさせながらぱんぱんと手を叩きつつ怒号を上げるのは毛利元就その人である。
 庭では雪がちらつくほどの寒さだというのに半裸姿で乳首丸出しの長曾我部元親と、何故か全身から湯気がたっている真田幸村がえっさーほいさーと餅つきを行っていた。
「やれ、毛利よ。少し休んだらどうだ」
 縁側で熱い茶をすすりながら声をかけるのは大谷吉継である。
 病人なのだからおとなしくしていろと言いたいが、さっきから杵を持たされふらふらしている三成が心配でどうしようもないらしい。
「ふん、良いか、師走も残り半分を切った。今から準備を行わねば落ちついて年が越せぬというもの。長曾我部何を遊んでいる!餅の次は蕎麦だ!蕎麦を打つのだ!!もちもちぞ!!」
「おい勘弁してくれよそりゃあんたが食いたいだけだろーが」
「やかましいわ裸族めが!この乳首海賊めそのつんと尖った乳首箸で摘まんでこりこりされたくなければおとなしく言うことを聞くが良い!!」
「やめろおおおお!!」
 想像したのか、元親がぶるりと震えた。
「三成殿、こっちです!この臼の中をつくのです!あっどこへ行かれるのですか三成殿オオオオオ!!」
 無理やり持たされた杵を持ってうろうろしていた三成が、ふいにどこぞへと視線を向けたたかと思うと脱兎のごとく走り去って行った。
 杵を振り上げたままで。
「何をしておるのだ石田は!もう良いわ死ね!真田、貴様休憩はもう良いであろう、早に餅つきを再開せよ!」
「は、それがしに休憩などいり申さぬ!突いて!突いて!突きまくって必ずやたらふく餅を貪り食いましょうぞ!毛利殿ォォォォオ!!」
 ただ食いたいがために力の限り餅をつく日の本一のつわもの真田幸村。彼の周囲だけ舞い散る雪が蒸発していく。
 あれは湯たんぽがわりに良いな、などとちらっと思う元就である。
 さて、同時進行で捨て駒どもを中心として行っている大掃除はどうか、と身を翻そうとしたところで、門の方から派手な爆音が響いた。
「何だ!?」
「おい敵襲か!?」
「まさか・・・・・・東軍!?」
 とっさに元親と幸村は杵を、元就はすぐそばにあった湯の入った盥を、大谷は急須を持って振り返った。
 その間にもギャアアアア、だのどっかーん!!だの阿鼻叫喚がこだまして、やがて庭の塀が破壊され瓦礫が散乱する。
 もうもうとたちこめる砂埃に交じって黒煙が周囲を包み込んだ。
「おのれ、なにやつ!」
 三成は、おお三成はどうしたのだー!とわめく大谷を抑え込みながら元就が舌打ちすると、煙の間からよろりと当の三成が姿を現した。
 あれだけ煤で汚れぼろぼろなのに前髪は僅かも乱れていない。さすがだ。もうその前髪が本体でいいのではないだろうか。
「三成!無事であったか」
「あ、当たり前だ・・・秀吉さまの許可なくして・・・・・・私は死ねな、い・・・ぐふっ」
「三成!」
 おまえ本当に病人か、と誰もが思うほどのスピードで大谷がとん、と縁側から飛び降りてよろめく三成の肩を抱く。
 それを慌てて追いかけるように輿がふわふわと浮いて移動して行った。いるのかそれ。いらないんじゃないのそれ。
「刑部・・・」
「どうした三成!なにがあった!」
「くる・・・やつがくる・・・・・・きっとくる」
「何が来るのだ。貞子か」
「貞子とは何だ。そうではない、あの赤い男が・・・・・・」
「赤い男?」
 そもそも何故、どうやって吹き飛ばされたのだ、と元就が疑問を口にしようとしたとき。
「やあ諸君。はっぴーめりぃくりすます」
 場違いなほど明るく、かつ、隠しきれないほどの嫌味をあわらにした声が庭に響いた。
「なっ!?」
「な、何者でござるか!?」
 思わず元親の手から杵を奪い取り、二本の杵で構えを獲った幸村の問いに男は黒煙の中からゆっくりと進み出た。
「赤い・・・男」
 そう、赤い男だ。上から下まで真っ赤でやけに暖かそうな服装をしている。白いもこもこの縁取りが可愛らしい。
 その格好と着ている人物の悪人面とがあまりにギャップがありすぎて何とも言えないシュールさを演出していた。
「ごきげんよう。卿たちにぷれぜんとふぉーゆーだ」
「貴殿はもしや・・・・・・」
 はっとして幸村が目を見開いた。
「知り合いか真田?」
「もしや・・・・・・!!」
 おお、と目を輝かせ、幸村が叫ぶ。
「奥州の、独眼竜伊達政宗殿!!」
「違うわボケー!!」
 がこぉん!と半分ほど湯の入ったままの盥が鋭い軌跡を描き幸村の額にヒットする。
「ぐぉあ!!」
「奇妙な言葉を使う輩を全員独眼竜だと言うつもりか貴様!伊達に心底同情するわ!!」
「独眼竜・・・おまえ・・・」
 いいのかそんな宿敵(と書いてともと読む)で。
 同情、という元就の言葉に深くうなずきながら、乳首に鳥肌をたてつつ元親が進み出る。
「あんた誰だ?どうやってここへ入ってきた」
「門から。なに、そこの・・・謀神に招待されたのでね」
「ああ?」
 なんだてめぇがこのけったいなおっさん呼んだのか、と怪訝な顔で振り返るも、毛利元就本人も元親をさらに上回る変な顔で首を傾げている。
「・・・・・・・我は斯様な中途半端な南蛮人もどきなど呼んだ覚えはないが」
「ははは。おもしろいことを言う。卿から手紙が届いたのだよ」
「手紙?」
 ほれ、と赤い男が服の中からよれよれの紙を取り出し掲げて見せた。
 全員、おそるおそる近寄ってのぞきこむ。

『三太殿へ 贈り物は暖かいものが欲しい。それと某南蛮人に聞いたきらきら光る木を見てみたい。おおさかにいる 毛利元就』

「・・・・・・・・・・・・・・おい毛利ィ何だこりゃあ?」
 あっけにとられた顔をする元親たちに、元就はしばらく考え込み、やがて見る間に顔を真っ赤にして慌てだした。
「いや、これは・・・・・・ふ、不覚!!」
「あっ」
 言い捨てると元就は神速の域に達するかと思われる速さで屋敷の中へと逃げて行ってしまった。
 その足の速さ、戦場で見せればいいのに。
「ぬしは三太と申すのか」
「本物ではないがね。南蛮では十二月二十五日に三太という男が贈り物を配り歩く習慣があるのだよ。三太へ手紙を送る者も大勢いる。毛利元就もまたそのひとりなのだろう。愉快愉快」
「あー・・・・・・。つまり毛利のやつ、その贈り物くれるっつー謎のおっさんに手紙書いたわけか」
 どこに誰宛に出したのかは謎である。
 が、その謎を解くカギはおそらく大友あたりにある、と元親には見当がついた。南蛮、と聞いてピンとくるのはあのぴょろぴょろした奇妙な宗教集団の存在である。気持ち悪いのであまり関わりたくないが、元就は一度入信した後脱退したにも関わらず、相変わらず隠れ信者をやっているという噂を耳にしたことがある。頭が良すぎるのも考え物だ。すがるならもっとこう、他のものにすればいいのに。
「外の世界には大勢三太がいるのだよ。私もまた日の本で活動する三太のひとりだと考えてくれたまえ」
「な、なるほど!納得したでござる!」
「えっしちゃったの!?」
 突っ込み役の忍はどこだ、と元親はきょろきょろ当たりを見渡したが、猿飛佐助の姿がどこにもない。
 肝心なところで全く役に立たない突っ込みだ。
「さあて、謀神の願いをかなえようではないか」




「愚劣愚劣」
 まじもうありえない。
 どすどすと足音も荒く、元就は屋敷の廊下を歩いていた。
 とにかく一刻も早くあの男を追い返さなければならない。
 だが今引き返せば、性悪な大谷とか乳首とかがにやにやしながらこっち見てくるに違いないのである。
「許せぬ!三太め・・・・・・切り捨ててくれるわ!!」
 でも贈り物は受け取ってから。
 どうにも皆のいるところへは戻りづらい、とうろうろしていると、ぱたぱたと忙しそうに現れたのは忍ばないことで有名な忍だった。
「あれっ毛利の旦那。餅つきは終わったのかい?あ、もしかして蕎麦打ちやる?ちょっと待ってね俺様まだ厠の掃除が全部終わってなくてさ」
「・・・・・・ああ、そういえば貴様大掃除を取り仕切っておったな」
「遅いよ!全部丸投げしたのあんたじゃん!俺様朝からずっとこの無駄に広い大阪城の中隅から隅まで掃除監督やってんだよ!?」
 とうとう忍としての任務も放棄したのか、と思ったが、今朝ぼんやり通達した元就の指示をちゃんと聞いていたらしい。殊勝なことである。
「あ、あれ?旦那ー!真田の旦那ー!!」
 ふいに佐助が元就の背後に向かって大きく手を振った。
「むっ」
 まずい、と元就は振り返ることなく一目散に逃走を開始する。
 何がまずいのかはともかく、あんな無邪気な手紙を全員に見られたことがこっ恥ずかしくて死にそうなのだ。
 ほとぼりが冷めるまでどこかに隠れておくしかないだろう。
「あ、ちょっと毛利の旦那!?」
「毛利殿ぉぉぉぉおぉおおおおお!?」
 遠くから真田主従の声が追いかけてきたが、それらを振りきるように元就は全速力で廊下を走った。
 廊下を走らないでください!と大阪城つとめの女中が怒鳴ったが当然無視である。
 我だって韋駄天抄なくっても足速いもん。



 腹減った。
 元就の逃走劇はあれから三刻と持たなかった。
 見かけによらず胃は無限大、一度の食事のデザートに餅十個は当たり前、の彼にとって誘惑を前にこっそりじっと隠れているなんてことできるはずもない。
 こっそり台所へ忍び込んだが、あら毛利殿こんなところで何してるんです、などと話しかけられ逃げてきたのだ。
 摘み食いできるものを探していたが、あの広大な中国を治める大毛利が摘み食いしていたなんて誰にも知られるわけにはいかない。
 常に威厳をもち、おそれられる安芸の守護者、謀神でなければならないのだ。
 口の端からきゅうりを垂らして振り返る謀神などイメージダウンも甚だしい。
「どうしたものか・・・・・・」
 どうしたもこうしたも、貸し与えられている私室で小姓でも呼びつけて菓子を所望すればいいだけの話なのだが、私室は誰かが張っているだろう、と彼は予測をたてていた。
 すでに日も暮れかけており、夕餉の支度をしているのだろういい匂いがどこかから漂ってくる。
 ぐぅぅ、と鳴る腹を宥めながらとぼとぼと歩いていると、やけに庭の方がぴかぴか光っていることに気づいて顔を上げた。
「なんぞ?」
 しかもぼそぼそと祝詞のような呪術のような奇妙な声が聞こえてくる。

「「「陣来兵衛 陣来兵衛 鈴が鳴るゥ・・・・・・」」」

「怖ッ」 
 思わずぶるりと身震いしてから、元就はそっと縁側へ出てみた。
 角を曲がって壁にべったり体をはりつけ中庭をのぞいてみると。
「・・・・・・・・・・・・これは」
 庭に巨大な木が生えている。
 いつの間にそんなところにそんなものを移動させたのか。
 見れば松の木のようだ。
 その枝という枝にぐるぐると奇妙な紐やら短冊やら菓子やら綿やら気味の悪い人形やらがぶら下がっており、木のてっぺんにはでかい提灯がぽつんとのっていて、そんな高いところに吊るしてどうするのかと元就は思った。
 提灯はいたるところにぶら下がっていて風にゆらゆらと揺れている。
 何の儀式だこれ。
 夕闇に染まりつつある中そろそろと近寄って行くと、彼に気づいた面々が振り向いた。
「おう戻ったか毛利」
「長曾我部よ。これは何の呪いの儀式だ」
「ああん?何言ってんだ、このおっさんがよォ」
 と赤い男を見やって、肩をすくめる。
「こういう、南蛮の習慣なんだと。ほら、あんたが見たがっていたきらきら光る木」
「え?」
 これが?これがそうなのか。想像していたのとだいぶ違うが、こういうものなのか。
「謀神よ」
 相変わらず可愛らしい格好に悪人面を浮かべた男は、ゆっくりと進み出てずた袋に手を突っ込みごそごそしだした。
 まさか得物でもとり出すのかと身構えたが、皆にやにやするばかりで(三成は仏頂面のままだったが)反応しようとしない。
 危険はないのか、とわずかに安堵したところで赤い男・・・三太は手に持ったものを掴んで元就に差し出した。
 くたりとしたそれは片手で抱えられるほどの布製のもののようだった。
「・・・・・・猫」
「そう、猫の人形だ。これは中に懐炉を入れて使う」
「・・・・・・・懐炉」
 懐炉、つまり火鉢で温めた岩石を入れて使う、冬の必需品である。
 通常布に包んで使用するのだが、わざわざ猫の人形に入れろという。
 まあ、確かにそっけない布に包んで懐に入れるより、何となく抱いていて心地よい。
 真っ黒な毛でできたふわふわのそれを受け取り、何故こんなものを、と尋ねようとしてはっとした。


『三太殿へ 贈り物は暖かいものが欲しい。それと某南蛮人に聞いたきらきら光る木を見てみたい』


 つまり三太からの贈り物だ。
 この、若干呪術めいている木も、猫型の懐炉も。
 元就はぎゅっと懐炉を抱きしめてうつむいた。
 なんだこれは。どんな羞恥プレイだと言うのだ。
 我は誰もがおそれる冷酷非情な策略家、日輪の申し子毛利元就だぞ。
 だが元親も幸村もにこにこして見ているし、三成は相変わらずだが大谷ですら黙って見守っている。
「どうだね、くりすますもなかなかおもしろい趣向の行事だろう」
「くりすます」
「そうだ。南蛮の宗教に伝わる救世主が誕生した日なのだそうだ」
「救世主・・・・・・」
 元就は猫の懐炉を抱きしめる腕に力を込め、不気味に光る松の木を見上げた。
「おお・・・・・・・ザビー様・・・・・・・・・」
「いやちげえだろ!!・・・・・・・・違うよな?」
 な、とぐるりと元親が周囲を見渡したが、あえて誰も目を合わせなかった。
「さて、では最後に」
 三太が手袋をはめた両手をワキワキしながら歩み出て、松の木を同じように見上げた。
「良い年越しを。めりーくりすます」


 ぱっちん


 指を鳴らす音がしたかと思うと、次の瞬間大阪城の中庭が爆発して、吹き飛んだ。


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「あ、毛利の旦那」
 ぺとぺととやってきた元就に気づき、佐助は苦笑いを浮かべた。
「何、また中の石替えるの?冷めちゃった?」
「うむ」
 あれ以来元就は片時も猫型懐炉を手放そうとしない。よほど気に入ったらしい。
 謎の赤い男三太のせいで見事に吹き飛んだ大阪城の中庭だったが、人間五十年、夢幻の如くなり。
 大谷のさんざめく降り注ぐ呪いや元就の日輪の威光や元親のからくりや幸村の熱血や絆を越えた三成の鋭い前髪の力で、朝起きたら元通りになっていた。
 ただ、あの不気味な松の木は焼け焦げた状態でへにょりと倒れてしまっていたため、撤去したのだった。
 三太の行方も謎のままである。あの悪人面した赤い男はどこへ行ったのだろうか。
 それはともかく今年も残り数日、大晦日には鐘つきをしたり餅を食ったり年越しそばを食ったり、元旦には餅を食ったり初詣に行ったり餅を食ったりとやることずくめで大忙しである。
 余談だが、実は東軍にも謎の赤い男三太が出現したらしく、その男は方頬に傷のある、たいそう怖い顔をした男だったらしい。
 初詣には厳島へ戻って、ニチリンヨー、がしたいな、と思う元就であった。